最適な加熱方法ってなんだろう?19回目「シーズヒーターの基本」 | 熱のことなら-【熱闘ブログ】

2020/01/08

最適な加熱方法ってなんだろう?19回目「シーズヒーターの基本」

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こんにちは!近藤です。

あけましておめでとうございます
本年もよろしくお願いします

2020年が始まりました!

今年はオリンピックイヤーですね!
個人的にはゴルフがどうなるか?楽しみです!

さて、2020年一発目のブログも、もちろん最適な加熱方法ってなんだろう?です。

今年のブログは、弊社の製品を詳しく書いてみますね。

記念すべき1回目はヒーターの基礎であり、弊社でも歴史がもっともあるシーズヒーターです。

シーズヒーターは英語では、sheathed heaterです。
sheathは”さや”(鞘)なので、刀のケースですね。

シーズヒーターは、金属パイプにニクロム線(発熱線)を入れ、酸化マグネシウム(MgO)を充填した構造です。
つまり、ニクロム線を刀とすると、金属パイプがケース(鞘)になります。

シーズヒーターの特徴は、形の自由度が大きい(様々な形に曲げられる)、大型(≒大容量)が作れる(MAX4m)、高温で使える(MAX850℃)、海外規格対応ができる(UL、CE)、オプションが多い(金属パイプ材質、表面処理、フランジやブッシング、フィンの取り付け、鋳込みやダイキャスト等)です。

20年ほど前までは、弊社のシーズヒーターがたくさんの家電製品に搭載されていました。
炊飯器、電子レンジ、食洗器、魚焼き器、ホットプレートなどなど。
家電メーカーさんの生産拠点が海外へ移動し、今はほとんどが中国製に変わっています。

昔の家電製品をお持ちの方は、弊社のシーズヒーターが搭載されているかも???

現在は、弊社のシーズヒーターは食品機械、理美容機器、空調機器、半導体製造装置など、主に産業機械に搭載されています。
一般消費財ではないので、なかなか見ることはできませんね。

さて、シーズヒーターは、主な部品がニクロム線、酸化マグネシウム、金属パイプと一見単純な構造ですが、この3つの主要部品だけでも無数の組合せがあり、形やオプションを含めると、無限の仕様があります。
また、単純な構造だからこそ、様々なノウハウが詰まっていて、ヒーターメーカーの基礎とも言えます。

主要部品の役割は、

ニクロム線:発熱
酸化マグネシウム:絶縁
金属パイプ:耐食、強度

です。

どの部品も大切な役割を果たしているので、用途に合わせて最適な組合せを選ぶ必要があります。

熱のコンサルタントが最適な仕様をご提案します。

2020年もいっぱい楽しみましょう!



*写真は毎年恒例の元旦にお伊勢さんで食べる赤福ぜんざいです~

シーズヒーターの選定でお困りの方はこちら↓
https://www.kawaidenki.co.jp/inquiry/

【バックナンバー】
1回目「熱量計算」
http://kawaidenki.blogspot.jp/2018/02/blog-post.html

2回目「直接加熱と間接加熱」
http://kawaidenki.blogspot.jp/2018/03/blog-post_16.html

3回目「直接加熱について」
http://kawaidenki.blogspot.jp/2018/04/blog-post_20.html

4回目「水の直接加熱」
http://kawaidenki.blogspot.com/2018/06/blog-post.html

5回目「金属加熱」
http://kawaidenki.blogspot.com/2018/07/blog-post_4.html

6回目「均熱について」
http://kawaidenki.blogspot.com/2018/08/blog-post.html

7回目「具体的な熱板の均熱設計の考え方」
http://kawaidenki.blogspot.com/2018/09/blog-post_26.html

8回目「ET-600とカートリッジヒーターで熱板を均熱にする考え方」
http://kawaidenki.blogspot.com/2018/11/blog-post.html

9回目「1~8回の振り返り」
http://kawaidenki.blogspot.com/2018/12/blog-post_12.html

10回目「対流熱伝達について」
http://kawaidenki.blogspot.com/2019/02/blog-post.html

11回目「輻射伝熱について」
http://kawaidenki.blogspot.com/2019/03/blog-post.html

12回目「抵抗加熱の基礎」
http://kawaidenki.blogspot.com/2019/04/blog-post_10.html

13回目「リード線選定の考え方」
http://kawaidenki.blogspot.com/2019/06/blog-post_17.html

14回目「リード線と発熱体との接続方法」
http://kawaidenki.blogspot.com/2019/07/blog-post_19.html

15回目「温度センサーの特徴」
http://kawaidenki.blogspot.com/2019/08/blog-post_21.html

16回目「サーモスタットの特徴」
http://kawaidenki.blogspot.com/2019/09/blog-post_20.html

17回目「温度ヒューズの特徴」
http://kawaidenki.blogspot.com/2019/10/17.html

18回目「”こと”と”もの”の融合」
http://kawaidenki.blogspot.com/2019/11/18.html
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