最適な加熱方法ってなんだろう?⑦ | 熱のことなら-【熱闘ブログ】

2018/09/26

最適な加熱方法ってなんだろう?⑦

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こんにちは!近藤です。

前回の登場が8月初めでしたので、一ヶ月半ぶりの登場です。
その間、暑かった夏が終わり、季節は確実に秋に向かっています。

さて、今回も最適な加熱方法ってなんだろう?の7回目です。
まだまだ続きますよ~

1回目はこちら↓
http://kawaidenki.blogspot.jp/2018/02/blog-post.html

2回目はこちら↓
http://kawaidenki.blogspot.jp/2018/03/blog-post_16.html

3回目はこちら↓
http://kawaidenki.blogspot.jp/2018/04/blog-post_20.html

4回目はこちら↓
http://kawaidenki.blogspot.com/2018/06/blog-post.html

5回目はこちら↓
http://kawaidenki.blogspot.com/2018/07/blog-post_4.html

6回目はこちら↓
http://kawaidenki.blogspot.com/2018/08/blog-post.html

前回、金属加熱の中でも、金属の熱板の均熱を素材の違いから考えました。
アルミとステンレスでは、熱伝導率に10倍以上の差がありましたね。

今回は、前回、前々回の内容をふまえ、具体的な熱板の均熱設計の考え方をお伝えしますね。

サイズ:200X200X20
使用温度:200℃
材質:アルミ

今回はこの条件で考えてみます。

サイズ、使用温度から、選定できるヒータは、カートリッジヒーター、シリコンラバーヒーター、フィルムヒーター、ET-600となります。

さて、どれを選びましょう?

実はここで、もう一つ大事な要因があります。

それは”必要な熱量(W)”です。

このアルミ熱板を200℃へ昇温するために必要なヒーターの熱量です。

これは熱量計算を使って算出します。
(実は第一回のこのブログのシリーズで書きました。)

仮に雰囲気温度20℃、昇温時間10分とした場合、必要熱量は980Wとなります。(計算方法等の詳しくはまたの機会に)

つまり、980Wの熱量でヒーターが作れるのか?を考える必要があります。

まずは、シリコンラバーヒーター、フィルムヒーター、ET-600の面状ヒーターを考えます。

ヒーターにはすべて、電力密度という1cm^2あたりの熱量があり、上限値も決まっています。

例えば、シリコンラバーヒーターでは2.0w/cm^2、フィルムヒーターでは3.0w/cm^2、ET-600では17w/cm^2です。(諸条件で変わるので、目安ですが。)

200X200の熱板と同じサイズの面状ヒーターの面積は、400cm^2となります。
この面積で980Wの面状ヒーターを作ったとき、電力密度は980W÷400cm^2=2.45W/cm^2となります。

シリコンラバーヒーターは上限値を超えるのでNG、フィルムヒーターも上限値に近いので△ですね。
面状ヒーターでは、ET-600が有力です。

つぎに、カートリッジヒーターを考えます。

カートリッジヒーターは熱板に穴をあけて挿入するので、今回の厚み20mmの熱板に外径(Φ)いくつのヒーターを挿入するかを考える必要があります。

熱板の厚みの中心から表面までの距離(厚み20mmの場合は、10mm)は、外径X1.5以上が良いとされています。
Φ6.5のカートリッジヒーターであれば、6.5X1.5=9.75ですので、Φ6.5以下の選定がよいです。

ちなみにカートリッジヒーターを何本か並べるとき、ヒーターの中心間の距離は外径X3~4が良いとされています。

200mmの幅にΦ6.5のカートリッジヒーターを外径X4倍(25mm)とすると、ヒーターを7本並べる形になります。

では、均熱を実現するために、ET-600とカートリッジヒーターのどちらを選びましよう?

ここからが本題なのですが、少し長くなってしまったので、本題はまた次回に!

ちなみに、熱板の均熱化をサポートするHSP(ヒートシミュレーションプログラム)の事例はこちら↓
https://www.kawaidenki.co.jp/solution/case038.html

その他、熱で困ったらこちらまで!(また宣伝ですw)
https://www.kawaidenki.co.jp/inquiry/

次回こそ、本題に進みます!



*写真は今月初めに食べた絶品ハンバーガーです!
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