最適な加熱方法ってなんだろう?⑧ | 熱のことなら-【熱闘ブログ】

2018/11/02

最適な加熱方法ってなんだろう?⑧

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こんにちは!近藤です。

11月になり、2018年も残り2ヶ月を切りました!
季節は冬へ向かいますね!今シーズンは暖冬になる予想がでていますが、どうなるのでしょうか?

さて、今回も最適な加熱方法ってなんだろう?の8回目です。
まだまだ続きますよ~

1回目はこちら↓
http://kawaidenki.blogspot.jp/2018/02/blog-post.html

2回目はこちら↓
http://kawaidenki.blogspot.jp/2018/03/blog-post_16.html

3回目はこちら↓
http://kawaidenki.blogspot.jp/2018/04/blog-post_20.html

4回目はこちら↓
http://kawaidenki.blogspot.com/2018/06/blog-post.html

5回目はこちら↓
http://kawaidenki.blogspot.com/2018/07/blog-post_4.html

6回目はこちら↓
http://kawaidenki.blogspot.com/2018/08/blog-post.html

7回目はこちら↓
http://kawaidenki.blogspot.com/2018/09/blog-post_26.html

前回、下記の熱板を均熱する方法として、面状ヒーターのET-600と金属管のカートリッジヒーターの二通りが考えられるとお伝えしました。
*もう一度確認したい方は、7回目のブログを参考にしてくださいね!

サイズ:200X200X20
使用温度:200℃
材質:アルミ

今回は、ET-600とカートリッジヒーターで熱板を均熱にするための考え方をお伝えします。

ここでひとつ質問です。

サンプルの200mm角の熱板にすべて均一に熱量を加えたら、均熱な熱板ができると思いますか?

答えは・・・

残念ながら❌です。(完全には❌ではないですが、それは後ほど)

なぜか?

それは”放熱”があるためです。

”放熱”とはその名の通り、熱が放出されることです。

余談ですが、大阪には「放出」と書いて、「はなてん」と読む駅がありますよ(笑)

熱は温度が高いところから低いところへ移動する性質があります。

そのため、室温25℃の空間に熱板を置いた場合、大気と触れる外周の温度が低くなります。
加熱する熱量は同じでも、放熱する熱量が異なるので、温度分布が変わるわけです。

これは弊社でカートリッジヒーターを使った熱板の実験です。
http://kawaidenki.blogspot.com/2017/04/blog-post_24.html

熱板の外周、四隅の温度が低くなっています。

では、今回の200mm角のサンプルで、ET-600を使って均熱な熱板を作る場合、どうすればよいでしょうか?

答えは、”粗密”です。

つまり、外周の温度が下がる分、外側に熱量を多めに入れて、加熱と放熱とのバランスをとるということです。

ET-600は発熱体にエッチング箔を使用しているので、粗密も自由に設計が可能です。

そして、どんな比率で粗密をつければよいのか?

それには、弊社のHSP(ヒートシミュレーションプログラム)をおすすめします!(はい、宣伝ですw)
https://www.kawaidenki.co.jp/solution/case038.html

どこにどんな熱量を入れればよいのか?
そのときの温度分布はどうなるか?
これらを見える化することで、均熱な熱板の実現へ最短距離で到達できますよ!

お問い合わせはこちらへ!
https://www.kawaidenki.co.jp/inquiry/

ちなみに、雰囲気が絶対真空だと放熱がゼロなので、粗密は理論上不要になります。




*写真は、なかなか放熱しなくて熱々だった明石焼です~


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