10月も終わりが近づき、季節は秋から冬へ向かいますね。
気象庁の予報では、今年は平年並みから暖冬だそうです。
9月の初めに我が家にきた犬は、そろそろ2ヶ月が経ち、ようやく生活に慣れてきたようです。
まだまだわかりあえないですが(笑)
さて、今日も「最適な加熱方法ってなんだろう?」の17回目です。
8、9月は温度センサーとサーモスタットの特徴や選定ポイントをお伝えしました。
今回は温度センサー、サーモスタット同様、ヒーターによく使う温度ヒューズについてお伝えします。
温度ヒューズは、サーモスタット同様、ヒーターの過昇防止で使います。
サーモスタットとの違いは、温度ヒューズは一度切れたら、二度と回路がつながらないところです。
ヒーターの回路を完全に遮断します。
内橋エステック様のサイトがわかりやすいです。
https://www.uchihashi.co.jp/support/603/
温度ヒューズの選定には、いくつかポイントがあります。
まずは、公称動作温度(Tf)
公称動作温度は、その名のとおり、温度ヒューズが動作する(切れる)温度です。
公差が電気安全法で±7℃と決まっているので、公称動作温度が100℃の温度ヒューズであれば、93℃~107℃の間で動作することになります。
ただし、温度ヒューズの動作は、1分1℃の昇温の条件なので、ヒーターのように、これ以上のスピードで昇温する場合、温度ヒューズの動作が±7℃におさまらない可能性があり、注意が必要です。
次に、ホールディングテンプ(Th)
ホールディングテンプは、温度ヒューズに定格電流を168時間流しても動作しない温度です。
つまり、ヒーターの使用温度は、ホールディングテンプ以下でないと、温度ヒューズが動作してしまいます。
最後に、マックステンプリミット(Tm)
マックステンプリミットは、温度ヒューズが動作後、10分間再導通しない最高温度です。
逆に言えば、温度ヒューズがマックステンプリミットを超えて温度があがった場合、再導通の可能性があるということです。
一見簡単に見える温度ヒューズですが、選定にはいくつかのポイントがあるので、ご注意ください。
特にヒーターの過昇防止に使う場合、公称動作温度とホールディングテンプの2つは、重要なチェックポイントです。
今日は、ヒーターの過昇防止に使う温度ヒューズについてお伝えしました。
また次回もお楽しみ!

*写真はボウボウだった毛を刈って、若返った我が家の愛犬コタロウです!
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【バックナンバー】
1回目「熱量計算」
http://kawaidenki.blogspot.jp/2018/02/blog-post.html
2回目「直接加熱と間接加熱」
http://kawaidenki.blogspot.jp/2018/03/blog-post_16.html
3回目「直接加熱について」
http://kawaidenki.blogspot.jp/2018/04/blog-post_20.html
4回目「水の直接加熱」
http://kawaidenki.blogspot.com/2018/06/blog-post.html
5回目「金属加熱」
http://kawaidenki.blogspot.com/2018/07/blog-post_4.html
6回目「均熱について」
http://kawaidenki.blogspot.com/2018/08/blog-post.html
7回目「具体的な熱板の均熱設計の考え方」
http://kawaidenki.blogspot.com/2018/09/blog-post_26.html
8回目「ET-600とカートリッジヒーターで熱板を均熱にする考え方」
http://kawaidenki.blogspot.com/2018/11/blog-post.html
9回目「1~8回の振り返り」
http://kawaidenki.blogspot.com/2018/12/blog-post_12.html
10回目「対流熱伝達について」
http://kawaidenki.blogspot.com/2019/02/blog-post.html
11回目「輻射伝熱について」
http://kawaidenki.blogspot.com/2019/03/blog-post.html
12回目「抵抗加熱の基礎」
http://kawaidenki.blogspot.com/2019/04/blog-post_10.html
13回目「リード線選定の考え方」
http://kawaidenki.blogspot.com/2019/06/blog-post_17.html
14回目「リード線と発熱体との接続方法」
http://kawaidenki.blogspot.com/2019/07/blog-post_19.html
15回目「温度センサーの特徴」
http://kawaidenki.blogspot.com/2019/08/blog-post_21.html
16回目「サーモスタットの特徴」
http://kawaidenki.blogspot.com/2019/09/blog-post_20.html
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