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2015/02/04

サーモスタットの仕様

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東京支店の今西です。

いつもしょーもないことばかり書いていますが、
今回はちょっと真面目にヒーターの話をします。

先日、納品先の立会でサーモスタットの動作確認を
行いました。

写真の様にサーモスタットをヒーター表面に設置した仕様でした。
(一般的なバイメタルサーモです)


(カタログより抜粋)

サーモの仕様は「100℃OFF」。

熱電対で温度制御しますが、万一暴走したという想定で
動作確認をします。

ヒーター温度が何℃の時に
サーモがOFFになるか調べたところ…
ヒーター温度百数十℃で動作しました。
(ぼかして書いてます(^ ^;))

意外な結果に思えますが、実はそうでもありません。

熱したフライパンの上にお肉を乗せたとします。
その直後にお肉を触っても、別に熱くないですよね?

熱してしばらくしてお肉に熱が行き渡ると、やがて触れないくらいの
温度になるでしょう。
それでも、フライパンと同じ温度ということはないはず。

それと同じで、ヒーターとサーモの温度にはギャップが生じます。

今回の場合だと、ヒーターが百数十℃のときにサーモが100℃になり、
OFFしたということになります。

また、この温度差は、環境によって変動しますので一概ではありません。


例えば、ヒーター単体の昇温速度が速い場合、
サーモに熱が伝わる時間がそれだけ短い為、ギャップも大きくなります。

サーモって家電製品でもよく使われているので、
安全なイメージがありますが、温度制御という観点からは、
悪く言えば大雑把なものです。

サーモの選定の際はこの温度ギャップも考慮に入れて
設計する必要があります。

もちろん弊社でも多数の実績がありますので、お手伝いできますよ。


ちなみに上記の立会いでは、ギャップのことも事前にご説明して
「ヒーターが○○℃~○○℃でサーモが切れるはず」という想定で設計しました。

結果は想定範囲でしたが、温度をモニタしながらちょっとハラハラしました(笑)
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2014/10/31

ヒーターの昇温は制御モードでここまで変わる!2【動画】

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温度制御とは、突き詰めていくと非常に奥が深いもの・・。

おや・・この文句、どこかで・・


この制御モードで動画第二段です!


前回大好評だった、制御モードによる比較シリーズ第二段!!
今回は一般的なPID制御をより深堀した内容でお送りします。

今回はPID制御で検証をしました

 ・PID制御 オートチューニングモード
 ・PID制御 マニュアルモード
 ・PID制御 セルフチューニングモード


http://youtu.be/Qora82gq0kM
(再生されない場合はこちらのURLからアクセスしてください)


・・いかがでしたか?

相変わらず、頭で考えるよりやってみればわかりやすい!
ぜひ、この動画をご活用くださいね。


そのほか、HEATCONに関するご質問、受け付けております。
お気軽にお問い合わせくださ~い。



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2014/07/28

大型ユニットを使ってKAWAIで!持ち込み試験!

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実験に使う大型ユニット、河合電器でも承ります。
今回は遠赤外線セラミックヒーターを大きく一体化!した実例をどーんとご紹介しましょう。

2500平方㎝を加熱できる!

▲遠赤外線セラミックヒーターユニット
どどーんと・・載せてしまいましたが、大きさはおよそ500角。
ヒーター固定用のCチャンネルにぶら下がったような形になっています。

こちらは500角にお客様の製品である、車載用部品を並べ、それらを均一に加熱し、温度に対する耐久性を試験したい!というご要求にお答えし、製作させていただいたヒーターです。

KAWAIに気軽に持ち込もう!


この件では、弊社にお越しいただき、お客様立会いのもと、試験をさせていただきました。

熱に関する問題を解決に導くため、弊社にはさまざまな実験設備があります。
普段は加熱試験なんてしないから・・
今回だけのために実験設備を導入するのは難しいなあ・・という方、気軽にいらしてください!

▲内臓熱電対のアップ

さて、遠赤外線セラミックヒーターには、このように、ヒーターと熱電対が一体となっているものもあります。そのため、ヒーターの温度を監視することが簡単です。

ワークにも熱電対を取り付ければ、ワークの温度が必要温度になったとき、ヒーターが何℃になっていたかを、同時に記録できますね。
▲加熱試験の概要図
また、オフィスに帰られて、すでにHEATCONをお持ちでしたら、普段お使いのPCをロガーとすることもできるんです。(※別途ソフトウェアが必要です)
その際に、KAWAIで行った温調器の設定を持ち帰ることもできます!
そのため、ちょっと追加で試験したい!というときは再現が可能なんです。

う~ん・・
行って楽しい☆帰って二度得☆ ぜひKAWAIで立会い試験をしてみてはいかが?



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2014/07/14

温度調節器HEATCONの操作方法< 基本の設定編 >

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▲温度調節器HEATCON

KAWAIで取り扱っている温度調節器HEATCON。
小さいのに高機能と日頃から多くの方にご活用いただいています。


しかししかし、よく頂くのが、
「操作方法がわからない-!」というご質問。


本日はこちらについてわかりやすく丁寧に!
ご説明しちゃいます!
操作方法も、コツをつかめば簡単なので、ここでバッチリ理解して、HEATCONを使いこなしちゃってくださいね!


どんな制御モードがあるの?


まず、温度調節器HEATCONに搭載されている制御モードは以下のとおりです。

ON-OFF制御
予め設定した制御幅(ディファレンシャル)を
上回るとOFF,下回るとONする制御方法
PID制御オート
制御開始時、強制的に数回ON-OFFを繰り返し
CPがPIDの値を算出してから制御を行う方法
マニュアル
使用者が自らPIDの値を割り付け、
制御を行う方法
セルフ
チューニング
その時の状況に応じて、最適なPID数値を
変動させながら制御を行う方法

前回、各制御モードで、ヒーターの昇温にかなりの差が出ましたよね。

ヒーターの昇温は制御モードでここまで変わる!【動画】 | 熱のことなら-【熱闘ブログ】

基本の操作はコレだ!


まず、初期設定は、PID制御のオートモードに設定されています。

オートモードは、初回通電時、昇温カーブからHEATCONがP値、I値、D値を自動で算出してくれるモード。
そのため、初回の昇温時のみ、やや昇温カーブが異なるのが特徴です。
基本的には、このモードで十分活用できますので、操作は要りません。
▲運転表示の画面

基本は、この運転表示の画面から操作を行います。
画像内、白色で表示している[mode]キーを押すと、この運転表示画面に切り替わります。

この画面で[∧][∨]でSP値=制御温度を変更できます。
[<]では操作する桁を変えることができます。

自分色にHEATCONを染めたいんだ!


それでもいろいろせっかくなので使ってみたいですよね。
そんなあなた、この運転表示画面から[para]キーを2秒押します。
この操作で各設定モードの入口に入り、[para]を1度押していくごとに、いろいろな設定画面を呼び出せます。
早速[para]キーを押してみてくださいね・・・

①オートモード、マニュアルモード切替【[para]キー1度押し】
この画面では、オート、マニュアルモードを切り替えられます。
どちらの設定になっているかでいずれかが表示されますので、[∧]、[∨]で切りかえを行えます。

なお、PIDのオート、マニュアル・・ということではなく、このマニュアルモードでは、MV値(操作量)や、タイマ(残り時間)など、非常に細かな設定が可能です。
今回は、基本の設定ですので、オートモードの説明をいたします。

②RUN/READYモードの切り替え【[para]キー2度押し】
この画面では、RUN、READYの切り替えが行えます。
「あれ・・ヒーターが動かない」というときはREADYモードになっていないか?確認してみてください。
RUNモードで、ヒーターを出力し、READYは出力を行わないモードです。
[∧]、[∨]で切りかえを行えます。

③PIDオートチューニング/マニュアルの切り替え【[para]キー3度押し】
この画面は今現在、PIDの値をオート、自分で任意の値を入力するマニュアル、どちらの設定になっているかでいずれかが表示されます。
[∧]、[∨]で切りかえを行えます。
また、一度決めあてられてしまったPIDの値をリセットする場合でも使います。
条件が異なる試験でHEATCONを使いたいときは、一度この操作を行ってください。


・・以下、[para]キーを押していくと、以下の順序で画面が切り替わっていきます。


Doラッチの設定を行います。
通信Dl1の設定を行います。
SPバンクの設定を行います。
イベントバンクの設定を行います。
PIDバンクの設定を行います。
(ON-OFF制御の設定時は表示されません)


温度制御モードの設定を行います。
0:ON-OFF制御、
1:PID制御、2:セルフチューニング
を[∧][∨]で操作、設定できます。


いかがでしたか?文字が並ぶと難しく見えるのですが、触ってみると、実にシンプルなんです。

こーんなに高機能なので、生産設備など、さまざまな社内設備でも活用実績が。

研究用、生産設備用ホットプレートは高温から低温まで! | 熱のことなら-【熱闘ブログ】

その他にもいろいろな機能がついています。
まずは「こんなこと出来ないかな・・?」を聞いてみてください!!

皆様の声をお待ちしております(^^)/


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2014/06/09

ヒーターの昇温は制御モードでここまで変わる!【動画】

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温度制御とは、突き詰めていくと非常に奥が深いもの・・。

弊社の温度調節器、HEATCONの中にも、大きく分類するだけで4種類もの制御モードが搭載されております。

今回の動画のテーマは、この制御モードです

制御ってとっても難しい。
実は、制御中の温度調節器って、高速でものすごい難しい処理をしているんです。


今回は、その計算はコンピューターにお任せして・・

小難しいこと一切なし!!
制御の理屈ではなく、目で見て、どのモードでどうなるのか!学んでしまいましょう!


今回は以下の制御方法で検証をしました

・ON-OFF制御(ディファレンシャル5℃)
 ・PID制御(オートチューニングモード)
 ・ステップ制御

※HEATCONには、そのほかの制御方法も搭載されています。
 例: PID制御(セルフチューニングモード)
 例: PID制御(マニュアルモード(任意のPID値を設定できる)

http://youtu.be/zaJP4WMeBO0
(再生されない場合はこちらのURLからアクセスしてください)


・・いかがでしたか?4つのモードで、差が明確でしたよね!

制御モードについてのよくお問い合わせいただきますが・・やはり言葉よりも目で見たほうがわかりやすい!
ぜひ、ご活用くださいね。


そのほか、HEATCONに関するご質問、受け付けております。
お気軽にお問い合わせくださいね。



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2013/11/22

流体に100℃と600℃のヒーター。流量が同じなら、出口温度は6倍になるのか!?【Q&A】前編

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――流体の加熱。弊社へのご要望、とっても多いです。

流量により、最適な方法は異なりますが、
タンクをなくし、流路で加熱をして、シンプルな設計にしたい!というお声をよく頂きます。

流路で温める意味って?

どういうことなのか?それぞれの方式の特徴をまとめてみますと・・


ざっくりこんな感じです。
つまり、「タンクの方が温めやすいけど、流路で温められたら装置にタンクを積まなくて済むなあ!」
ということなんですね。

水は温めにくいモノです

でも、水って結構温めにくい、というのをご存知でしょうか?
一般的に温めやすい、金属と比較してみますと・・

常温時の各物性のおよその熱伝導率


熱伝導率(W/m・k)
398
アルミ
236
SUS
16.7
0.582

液体と固体という差はありますが、こんなに熱の伝わりやすさに開きがあるんです。

そう、効率的に温めてあげる必要がありますが、これはなかなか難しい。
・・・ということで、今回のQ&Aはこんなお題にいたしました。


皆様にご質問です!

効率的に温めたい!では、ヒーターの温度を高くしたら、それだけ水は温まるんじゃないでしょうか?

Question: 水が流れる配管にヒーターを取り付けた時、流量が等しければ、
A:ヒーターの温度100℃のとき
B:ヒーターの温度600℃のとき
温度が6倍なので、水の上昇幅は6倍になるのではないですか?
KAWAI:弊社の試験データを確認してみましょう。
水を温める方法のヒントがそこにありますよ!

今回は流量、ヒーター温度、流路長・・・様々なパターンが考えられます。
設計者さんが悩むのもあたり前のようですね、何とか「アタリ」をつかめれば設計もスムーズに行くのでは?
さて、結果やいかに?!

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2013/10/11

熱電対も入る!業界最小ラバーヒーター

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こんにちは、河合電器製作所です。

今回ご紹介するのはなんと・・とっても小さいヒーターなんです。
じゃじゃーんと、どうぞ見てください!


わずか7mm角。
そして、なんと熱電対が入っているんです。
小さくたってパワフル、180℃近くまで昇温が可能ですから、制御をかける温度と、ヒーター表面の温度のギャップとが、限りなく0になるよう、ヒーターに内蔵してしまいましょう。

この小ささは、業界最小クラスです。
ぜひ、弊社の技術力を生でご覧になってみてください◎
サンプルを持ってお伺いしますよ!


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2013/03/01

制御盤もやります!

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ヒーターには、温度制御が必要な場合もあります。

制御盤のご要望もお伺いいたします

前回、<おはなし>の回での制御盤のPRが大変ご公表でしたので、今回も制御盤のお写真を大公開しようと思います。



上記の制御盤は2チャンネルタイプですが..


もっと大きいものになると、こんな実績も。
これは温度性能試験に大変便利ですね!時短!時短!

温度制御盤も是非、河合電器製作所にお任せを!
ヒーターだけではありません、一式でトータルなご提案が可能。

お客様に合わせた設計を致します。

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2013/01/25

これで完璧!ヒーターの温度管理アレコレ

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こんにちは。木田です。

ヒーターで最も恐ろしいのは異常に温度が上がってしまうことです。
希望している温度を超え製品に悪影響が出るだけでなく、周囲も危険に巻きこんでしまうことがあります。

そこで制御、または安全装置を使いヒーターを安全に使用頂く様々な方法があります。

温度制御

・熱電対
K線、J線、測温抵抗体などを使い、測定点温度を電気信号に切り替えて、制御器に信号を送り制御する方法。
様々な形状ありますが、弊社では各種ご用意が可能です。
・サーミスタ
熱電対同様に、温度を電気信号に切り替えて、制御器に信号を送り制御する方法。
写真の黒い部分が感知部です。
これらは単独で制御することができず、専用の制御器とスイッチング操作が必になります。

・サーモスタット(液膨張式)
液体の熱膨張を利用し、スイッチングを機械的に押し上げOFFする機構を持った制御器。
押し上げの高さを調整することで、ある一定範囲内であれば、制御温度を任意に調整できます。

過昇温防止

・サーモスタット(バイメタル式)
2種類の、熱膨張係数の違う異種金属を貼り合わせたプレートをスイッチとし、規定温度になった場合に、機械的にスイッチングをOFFする機構を持った制御器。
OFF後の復帰方法によって、一定温度低下後に自動的にONとなる自己復帰タイプ、作業者がスイッチを押すことでONとなる手動復帰タイプ、1度で復帰不能となるワンショットタイプなどがあります。
これらは機械的にスイッチをON、OFFする機構を持っているので、単独で制御を行うことができます。
ただし、バイメタル式は機械的な動きをすることから寿命が有限であり、河合電器としては単独での温度制御を推奨しておりません。
またメタルの材料によって制御温度が決まるため、1個につき1個の制御点しか選定できません。
・温度ヒューズ
ある一定温度で溶解する可溶体を使っている。
選定温度に達すると、回路を繋いでいる可溶体が溶解し、回路を分断する。
溶解後の復帰は不能です。

ヒーターを安全に使って頂くためにも、上記のような制御器を使って頂くことをお勧めします。
さらに詳しい内容については、弊社選りすぐりの営業担当者にお申し付けください。
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2013/01/16

シリコンラバーヒーターが炎上?【動画】

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シリコンラバーヒーターは、取り付けの手軽さ、形状の自由度の高さから、
幅広い産業分野で活躍しているヒーターです。

燃えないようにご使用ください

時には、このような要望を頂くことがございますが、これらは実は要注意..!
一見問題ないよう考えがちですが..一度見直してみてください。

・急昇温50℃/1min の昇温速度程度
・高温での使用260℃以上の連続使用
・制御なし通電
・定格電圧以上の電圧をかけての使用100V定格に200V通電など

なぜこのような要求が問題になるのでしょうか?
それは、こちらの動画をチェックしてみてください!
シリコンラバーヒーターが、も、燃える!?

http://youtu.be/21tDxCKVd50
(再生されない場合はこちらのURLからアクセスしてください)

いかがでしたか?
手軽さ故に、安全面を見落としがちですが、
プロの目から最適設計を行い、トラブルを未然に防ぎたいものです。

河合電器では、最適な取り付け方法、難燃性グレードの高いUL V-0シートを使用したヒーター、
任意の位置への熱電対の取り付け、各種サーモスタットやヒューズの取り付けなどなど..
安全対策には妥協をいたしません!

安全なシリコンラバーヒーターは、KAWAIへお任せ下さい!

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2012/11/28

制御位置をヒーターから遠くに・・・ヒーター温度は危険か?【Q&A】後編

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前回までのあらすじ~
新入社員のHは、カートリッジヒーターにて熱板を設計するべく奮闘していた。

そんな中、先輩社員Iから温度制御について意外な忠告を受ける。
I がドヤ顔で提示した資料には、意外な事実が掲載されていたのである…

ヒーターから熱電対までの距離が離れると、
制御温度より何℃、温度ギャップが生じているのか?

先輩社員I
「これが試験結果だ」(スッ…)

* 試験条件は前回をご参照ください。

いずれの熱電対配置位置でも、凡そ下記のような温度推移が見られました。


これを、熱電対の位置ごとに、①~④をまとめ直すとこのようになります。


熱電対の位置が異なると、ヒーターの温度にここまでの差が生じます。

新入社員H
「な、なるほどお~~~」
先輩社員I
「これでわかったかな?」
新入社員H
「は…はあ。まあ、大体は……」
先輩社員I
「……」
新入社員H
「……」
先輩社員I
「わかってないでしょ」
新入社員H
「……。
……すみません……」
先輩社員I
「よしよし。うい奴よのう。説明して進ぜよう。
ポイントは下記の通りだ」

POINT① ヒーターの温度は、熱電対の温度よりも高くなる。

POINT② ヒーターの温度は、熱電対との距離が遠くなる程上がる。

先輩社員I
「カートリッジヒーターの一般的な使用温度は400℃迄だ。
①の場合、ヒーターの最高温度は695℃……
使用環境を念入りにチェックし、高温時の設計が必要となる、ヒーターにとっては、かなり過酷な温度域だね。
よくある話、ワークの温度を拾えれば装置としては良だが、そうもいかない理由がこれなんだ。」
新入社員H
「なるほど。あと、熱電対の温度は安定していますが、ヒーターの温度グラフはすごくブレてますね??
先輩社員I
「良いところに気付いたね!」

POINT③ 熱電対の温度は安定していても、ヒーターの温度は上下している。

先輩社員I
「制御温度を保つために、ヒーターは細かくON-OFFされるから、ヒーター温度が安定しないんだね。
このブレ幅も、制御位置が離れるにつれて大きくなるね」
新入社員H
「ブレ幅が大きいと、内部の発熱線の金属疲労も大きくなり、ヒーターの寿命にも影響しそうですね。
先輩社員I
「そうだね!」

まとめますと、KAWAIからの回答はこうなります。
センサーとヒーターの距離が離れるにつれて、制御温度とヒーターとの温度差は大きくなります。
推奨位置は10mmです。

今回、400W、10W/cm2仕様のヒーターを使用しましたが、より高い昇温速度をもった仕様であれば、温度差も大きくなると考えられます。
この点を加味して制御位置(センサー取付位置)を考慮する必要があります。

KAWAIでは、熱電対内蔵ヒーターや、高温用ヒーターの製作も可能です。
ヒーター近くへのセンサー取り付けが難しいのであれば、
 省スペースな、フィルム型熱電対のご用意が可能です。

新入社員H
「今回はありがとうございました!頼りになる先輩を持てて幸せです!」
先輩社員I
「それほどでもないよお~~(ドヤ顔)
問題も解決したことだし、今日はパーっと飲みに行こうか!?」
新入社員H
「あ、今日は友達と約束があるんで失礼します」
先輩社員I
「・・・(´・ω・`)」


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2012/11/26

制御位置をヒーターから遠くに・・・ヒーター温度は危険か?【Q&A】前編

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「温度制御」…それはヒーター永遠のテーマ……
ヒーターの位置から近い方がいい…本当なのか!?

ここにも、悩める若人がもう一人…


~ある日の新入社員教育現場にて~

新入社員H
カートリッジヒーターで400℃の熱板を設計する場合、シース型熱電対で温度調節すれば、400℃程度でも、全然問題ないですよね」
先輩社員I
「うーむ。ところで熱電対とヒーターの距離は、何mmくらいかな?」
新入社員H
「えっと、あまり考えてませんでしたが…」
先輩社員I
「ふむ。熱電対とヒーターが離れている場合、熱電対の温度(制御温度)と、実際のヒーター温度にはギャップが発生するんだ。
ヒーターの熱が熱電対に伝わり、制御がかかるまで、時間がかかる。
そうなると、ヒーターの温度は、制御温度よりも上がってしまうよね。
仕様提案の際にはそのことを加味する必要があるよ。
新入社員H
「なるほど!考えてみればその通りですね!
温度ギャップについて、何か資料はあるのでしょうか?」
先輩社員I
もちろんだ!下記の試験データがあるよ」(ドヤ顔)


ヒーターから熱電対までの距離が離れると、
制御温度より何℃、温度ギャップが生じているのか?


<試験内容>
ヒーターと熱電対の距離を、
①10mm、②20mm、③30mm、④40mm とした時の
実際のヒーター温度」(ヒーター内蔵熱電対の温度)を測定。

熱電対制御温度:400℃


<用意したもの>
・ カートリッジヒーター 熱電対内蔵仕様
  寸法:φ10×150L 定格:100V400W (10W/c㎡)















・ SUS製プレート(金型) 150×150mm 厚み30mm

















ヒーター温度の下記4点を検証します。
 ①平均温度
 ②最高到達温度
 ③最高-最低温度差
 ④制御位置との温度差


新入社員H
「果たして結果は…!?」(ゴクリ)



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2012/09/05

ちょっと待って過電圧!カートリッジヒーター編 【動画】

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知る人ぞ知る熱の豆知識提供ブログが生まれ変わりました。
「熱闘ブログ」のタイトルはそのままに、さらに熱く闘って行きますので、よろしくお願いします。

さて、リニューアル第1弾はいきなりの【動画】。



電気ヒーターに掛ける電圧には、100V、120V、200V、220V、240V … と様々なレベルがありますが、もし、100V用に作られたものに200Vを掛けたらどうなるでしょう?

ずばり、こうなりました。


この様に、もともとの設定より大きい電圧を掛けることを「過電圧」と言います。

大丈夫だろ!と思っていたら大丈夫じゃない場合もあるんですよ。

河合電器では、日頃お客様から頂く質問に、こんな風に目に見える形でお答えして行きたいと考えています。

ヒーターを使ったこんな画像が見てみたい!
ヒーターのこんな事を相談したい!
そんな方はぜひ、お問い合わせ下さい。



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2012/07/13

ヒーター用サーモスタット

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河合電器製作所・技術部の山本です。

写真はヒーター用のサーモスタットです。
左が自動復帰タイプで右が手動復帰タイプになります。


面状ヒーターへの取り付けも可能です。
実機の故障モードに合わせて選定ください。

接続方法はヒーターの電源に直列で割りこませるのが一般的ですが、別回路でヒーターに取り付け、実機制御器への異常出力接点としても使えます。

お気軽に何なりとご相談ください。

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2011/09/30

熱電対の種類と温度範囲

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こんにちは!営業の東方です。

熱電対の種類とその特徴


皆さんはヒーターを温度調節される時、どのように制御されるでしょうか?

バイメタルサーモや熱電対、測温抵抗体など様々ですが、今回は熱電対の種類と特徴をお話します。

工業用熱電対の種類(JIS規格)

種類使用温度範囲特徴
K-200℃~1000℃
熱起電力と温度の関係が直線的。
一番多く使用されている。
J0℃~600℃
E熱電対の次に熱起電力特性が高い。
中温域で使用される。
T-200℃~300℃
電気抵抗が小さく、熱起電力が安定している。
低温で使用される
E-200℃~700℃
JISの熱電対の中で一番高い熱起電力特性がある
N-200℃~1200℃
広い範囲にわたって熱起電力が安定している
R0℃~1400℃
精度がよく、ばらつきが少ない(ロジウム13%)
S0℃~1400℃
精度がよく、ばらつきが少ない(ロジウム10%)
B0℃~1500℃
JISの熱電対の中で一番使用温度が高い

工業用では、K熱電対が一般的かと思います。
弊社での標準もK熱電対を使用しています。

何かの役に立つ??
大阪営業所の東方でした。

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2011/01/11

ヒーターの安全増しについて

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河合電器製作所・技術部の山本です。

ヒーターは一般的に熱電対や測温抵抗体で制御します。
制御が効かなくなった時の2個目の安全装置として付けておきたいものと言えば、
温度ヒューズやサーモスタットです。



今は制御器が発達して、エラー検出が容易にできますので、安全装置の出番は
減ってきておりますが、想定外の事が起こった時の為にも付けておいた方が無難といえます。
ラバーヒーターであれば、これらをヒーター取り付けて出荷することも可能です。
詳しくはお問い合わせください。
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2010/12/22

電気ヒーターとバイメタルサーモスタットの関係

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こんにちは。近藤です。

今日は、電気ヒーターにバイメタルサーモスタットを使用する際の注意点をご紹介します。

サーモスタットの注意点


電気ヒーターを使用する際、一般的に過昇防止として、バイメタルサーモスタットや温度ヒューズが使用されます。
このとき注意しなければいけないのは、バイメタルサーモスタットの動作温度です。

例えば、100℃OFFのバイメタルサーモスタットを使用すると、100℃になったら動作するか?というと、厳密にはそういうわけではありません。

バイメタルサーモスタットの動作温度は、一般的に1℃/1分の温度変化率の条件での温度ですので、温度変化率が変わると、その数値によって動作温度が変わります。

例えば、弊社で製作しているシリコンラバーヒーターの表面にバイメタルサーモスタット100℃OFFを取り付けた場合、通常、ヒーターの昇温特性は、1℃/1分以上になりますので、動作温度は100℃よりも遅れます。
そのため、電気ヒーターにバイメタルサーモスタットを使用される場合は、必ず実機にて動作温度の確認をされることをお勧めします。

電気ヒーターを大切に、安全に、ご使用ください。
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2010/12/03

ヒーターと温度調節器

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こんにちは、木田(きだ)です!

ヒーターは単独での温度制御ができません


ヒーターは単独での温度制御ができません。

消費電力値(W)や、電力密度(W/cm^2)により、ヒーターが持つ能力値である一定の値以上には温度が上がることはありませんが、外から熱を受ける場合は、その能力以上に温度が上がる可能性があります。
また、現在のヒーター温度が全く監視されていない状態は大変危険です。

他にも、理論上、飽和温度までには時間がかかりますし、また外乱によって温度が安定しない場合もあります。

ヒーターと温度制御は切っても切れない関係にあります。
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