空気加熱の方法【Q&A】後編 | 熱のことなら-【熱闘ブログ】

2015/04/22

空気加熱の方法【Q&A】後編

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Question:いろいろなヒーターがありますが、空気加熱に最適なヒーターを教えて下さい
KAWAI:最適なヒーターは用途によって異なります。
検討するのに役立つ、実証データがございますのでご覧ください!!

空気加熱の方法回答編です

導入編を見られていない方は、こちらをまずどうぞ!

空気加熱にも様々なニーズがありますが、今回は汎用性が高い、「60~80℃に一定空間の空気を加熱したい」というケースを考えてみましょう。
この温度帯は問い合わせをいただくケースも多いですね。

では、どのように検証していきましょうか。

まずは検証方法

検証方法はシンプルにいたしました。

方法:一定空間に3種類のヒーターを入れ、昇温の傾向をつかむ。


適当な大きさの筐体を用意し、ヒーターを3種類用意します。
ヒーターの容量はすべて、200Wに揃え、カートリッジヒーターと、ラバーヒーターは大きさを二種類用意し、それぞれ中央に配置し、密閉状態を作ります。
制御はせずに、おおよそ温度がなじんだと思われたら、筐体内で何点か温度を測定し、傾向を比較します。

果たして結果は?

結果

まずは筐体の中の温度がどのようだったか?概要をまとめてみました。



ラバー大

ラバー小

カートリッジヒーター
ヒーター
飽和温度
183℃280℃692℃
空間内最高温度89℃105℃99℃
空間内最低温度75℃68℃76℃
空間内温度差14℃37℃23℃

結果的に①ラバーヒーター大が最も温度のばらつきが少ないという結果になりました。

これはどういうことでしょう?

同じW(ワット)でもヒーターの飽和温度が違う

まず、①ラバーヒーター大が最もヒーターの温度が低いですね。
これは、ヒーターの「電力密度」が大きく関わっています。

電力密度とは、単位面積当たりの容量(W/㎠)を指すのですが、簡単に言えば、ヒーターの面積が大きいほど、W(ワット)が分散するということです。
電力密度が高ければ、Wが一か所に集中しているということになり、飽和温度が高くなります。
また、電力密度が低ければ、Wが分散しているということになり、飽和温度が低くなります。

今回のヒーターではWをそろえたので、最も①ラバーヒーター大の電力密度が低く、③カートリッジヒーターの電力密度が高くなり、このような温度差が発生しました。

なので、空間の大きさにもよりますが、均一に空間を温めたいのであれば、ヒーターは大きく、Wを分散させてあげた方がよい、ということになります。

しかしながら、もちろんヒーターの大きさが大きければコストもアップ致しますので、温度の公差に精度は必要なのか、空間に対流はあるのか、などの様々な条件によって代替案を検討することが出来ます。

③カートリッジヒーターの場合の空間の温度

次に、空間の温度分布を見てみましょう。
今回は空間内の外側上中下、内側上中下の6点で温度を測定してみました。
おおよその分布を色でまとめてみました。
意外にも、ヒーターからは距離が近い、外側の下が最も温度が低い、という結果になりました。
これはなぜなのでしょう。

これには、空気の性質が大きく関係しています。
温かい空気は、冷たい空気に比べ、軽くなります。
これにより、筐体内の上部に温かい空気が滞留したと考えられます。

ヒーターに遠い外側の上が、ヒーターに近い外側下に比べ、温度が高かったのは、この行き場所を失った温かい空気が、外側を伝って下りてくる、という循環が起きたためと考えられます。

②ラバーヒーター小に比べ、③カートリッジヒーターの方が温度のばらつきが少なかったのは、ヒーターの温度が高かったことにより、この循環が促されたのではないかと考えられます。

ヒーターによってその効果一長一短!

ヒーターごとの性質の差、わかっていただけましたでしょうか?

最も取付場所を選ばない利点のあるラバーヒーターですが、きちんと性質を理解し、場所を選ぶ必要があるのですね。

また、カートリッジヒーターも、ヒーター自体の温度が高いため、注意が必要になりますね。

ここらでまとめてみましょう。

Question:いろいろなヒーターがありますが、空気加熱に最適なヒーターを教えて下さい
KAWAI:最適なヒーターは用途によって異なります。
取り付ける環境を伺い、最適なヒーターをご提案させていただきます!



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