最近、「炊飯器でおいしくお米を炊くこと」が流行っているようですね。
「電気で」お米を炊くという発想自体は意外と古いようです。
今日は炊飯器の歴史について、掘り下げていってみましょう。
▲ 炊飯器がない生活なんて・・考えただけでも・・(><) |
炊飯器の原型は、戦前1937年ごろ
炊飯器の原型は、戦時中に使われていた記録が残っていました。旧日本陸軍が1937年に正式採用した、九七式炊事自動車には、「炊飯櫃」という原始的な電気炊飯器が装備されていました。
九七式炊事自動車 - Wikipedia |
炊飯櫃の中に研いだ米と水を入れて電極に通電すると、中の水が通電により発熱して炊飯を行うというものです。
米が炊き上がると水分が減少するため、抵抗値が上昇して発熱量が少なくなります。
これを利用し、そのまま保温に移行できる!という原理。
しかし、この方式では水の種類や米の研ぎ加減によって発熱量が変化して、炊き加減がばらつく上に、何より、感電の危険が大きい。
これらの理由から、家庭用にするには不向きでした。
戦後、炊飯器が発明される
最初に実用的な電気炊飯器を発明したのは、東京の町工場である「光伸社」の三並義忠という人です。釜を三重化することで、外気温による影響を受けにくくなり、実用的な炊飯が可能になりました。
(これは空気の層による保温機能で、温度を高めるようにしたものです)
しかし、まだ一般家庭に普及・・とまではいかなかったようです。
家庭へ一気に普及した理由とは・・?
やがて1955年に自動式電気釜という名で、T社から製品化されたときには、「二重釜間接炊き」という方式が導入されました。これは、バイメタル技術を利用したもので、自動式で電源OFFにするという機能です。
このおかげで、いったん電源ONにすれば、あとは自動的に電源OFFになるので、炊飯中に常時見張っている必要がなくなりました。
さらに、自動的に電源ONになるタイマーも別途発売され、これらにより、電源のON/OFFが自動化されたので、いったんタイマーをかけておけば、夜眠っている間に炊飯されて、朝起きたら炊き上がっているようになりました。
これで全自動化されて、電気釜は大ヒット商品になったようですね。
(当時、商品化するにあたり、「寝ている間に米を炊こうなどという女と結婚したいのか」と製品化に反対する声もあったとか(笑))
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