〈常温〉対〈氷点下〉 ヒーターの昇温カーブは同じか? 【Q&A】後編 | 熱のことなら-【熱闘ブログ】

2014/12/10

〈常温〉対〈氷点下〉 ヒーターの昇温カーブは同じか? 【Q&A】後編

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あったか~い部屋と、つめた~い部屋。
ヒーターは、同じものでいいのでしょうか・・・?

こんにちは!河合電器製作所です!今日は前回の続編です!

今回は回答編です

身近な疑問を即時解決。まずは前回の問いかけを復習してみます。

Question:全く同じヒーターを二つ用意し、常温の空間と、0℃以下の空間に入れます。
まったく異なる昇温カーブを描くのでしょうか?
スタート時の温度差を保ったままカーブが推移していくのしょうか?

KAWAI:考えるより見てみましょう
実際に試験したデータをご覧ください!!
どうやって確かめる?
▲ 用意した試験体

まず、発熱体にはシリコンラバーヒーターを用意しました。
単体で使われることは稀ですので、薄手のアルミ板を専用のボンドで貼り付け、模擬的に実使用環境に近づけます。
▲ 二種類の各温度に保った環境を用意し、いざ実験

今回は製品の公差を考慮しく同じ試験体を、各温度環境に入れ、通電試験を行いました。
温度域はそれぞれ①常温(15℃)、②氷点下(-25℃)としました。

実験データをどうぞ!

▲各環境下での昇温グラフ

①15℃②-25℃温度差
開始時15℃-25℃40℃
5分後37℃-3℃40℃
10分後49℃1℃48℃
▲各温度と温度差

はい、ご覧の通り、全く同じ温度差を保ち、推移していく、というわけではありませんでした。
若干ではありますが、-25℃からスタートした時の方が、昇温の速度としては遅い傾向にあるようです。

これはなぜ?→放熱量が違います!!

全く同じヒーターのため、発熱量は同じ。
ではなぜ、差が出てしまったかというと、これは、放熱量の差によるものです。

放熱量とは、その名のとおり、奪われていく熱の量のことですが、これは、温度により異なり、一定ではないのです。
傾向としては、温度が高温になればなるほど多く、また、低くなればなるほど多いです。
また、周囲温度と物体の温度の差が大きいほど放熱量は多くなります。

このように、一言でヒーターといっても、使用環境によって与えられる熱効果は様々なのですね。


河合電器は一品一様のものづくりを推奨します

河合電器では、必要な熱を形にいたします。
ご使用環境、必要な温度、何をしたいか、具体的にお知らせください。
こちらでトータルなご提案をさせていただきます。



最後に・・・100℃の雰囲気でも同様に試してみました。

▲ 100℃の雰囲気でも試してみました



①15℃②-25℃③100℃
10分後の昇温値
(開始時との温度差)
26℃30℃26℃


こちらはもう少し昇温能力の高いヒーター。

▲ 昇温能力の高いヒーターでも

①15℃②-25℃③100℃
5分後の昇温値
(開始時との温度差)
123℃103℃75℃

100℃雰囲気で昇温させたヒーターに比べ、-25℃のヒーターのほうが、昇温値が高いという結果に。
これは、-25℃のヒーターが放熱量が少ない温度域にさしかっているためですね。

熱の世界は奥が深い!!


 

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