ヒーターは、同じものでいいのでしょうか・・・?
こんにちは!河合電器製作所です!今日は前回の続編です!
今回は回答編です
身近な疑問を即時解決。まずは前回の問いかけを復習してみます。Question: | 全く同じヒーターを二つ用意し、常温の空間と、0℃以下の空間に入れます。 まったく異なる昇温カーブを描くのでしょうか? スタート時の温度差を保ったままカーブが推移していくのしょうか? |
KAWAI: | 考えるより見てみましょう 実際に試験したデータをご覧ください!! |
▲ 用意した試験体 |
まず、発熱体にはシリコンラバーヒーターを用意しました。
単体で使われることは稀ですので、薄手のアルミ板を専用のボンドで貼り付け、模擬的に実使用環境に近づけます。
▲ 二種類の各温度に保った環境を用意し、いざ実験 |
今回は製品の公差を考慮しく同じ試験体を、各温度環境に入れ、通電試験を行いました。
温度域はそれぞれ①常温(15℃)、②氷点下(-25℃)としました。
実験データをどうぞ!
▲各環境下での昇温グラフ |
①15℃ | ②-25℃ | 温度差 | |
開始時 | 15℃ | -25℃ | 40℃ |
5分後 | 37℃ | -3℃ | 40℃ |
10分後 | 49℃ | 1℃ | 48℃ |
▲各温度と温度差
はい、ご覧の通り、全く同じ温度差を保ち、推移していく、というわけではありませんでした。
若干ではありますが、-25℃からスタートした時の方が、昇温の速度としては遅い傾向にあるようです。
これはなぜ?→放熱量が違います!!
全く同じヒーターのため、発熱量は同じ。ではなぜ、差が出てしまったかというと、これは、放熱量の差によるものです。
放熱量とは、その名のとおり、奪われていく熱の量のことですが、これは、温度により異なり、一定ではないのです。
傾向としては、温度が高温になればなるほど多く、また、低くなればなるほど多いです。
また、周囲温度と物体の温度の差が大きいほど放熱量は多くなります。
このように、一言でヒーターといっても、使用環境によって与えられる熱効果は様々なのですね。
河合電器は一品一様のものづくりを推奨します
河合電器では、必要な熱を形にいたします。ご使用環境、必要な温度、何をしたいか、具体的にお知らせください。
こちらでトータルなご提案をさせていただきます。
最後に・・・100℃の雰囲気でも同様に試してみました。
▲ 100℃の雰囲気でも試してみました |
①15℃ | ②-25℃ | ③100℃ | |
10分後の昇温値 (開始時との温度差) | 26℃ | 30℃ | 26℃ |
こちらはもう少し昇温能力の高いヒーター。
▲ 昇温能力の高いヒーターでも |
①15℃ | ②-25℃ | ③100℃ | |
5分後の昇温値 (開始時との温度差) | 123℃ | 103℃ | 75℃ |
100℃雰囲気で昇温させたヒーターに比べ、-25℃のヒーターのほうが、昇温値が高いという結果に。
これは、-25℃のヒーターが放熱量が少ない温度域にさしかっているためですね。
熱の世界は奥が深い!!
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