温度ヒューズの動作温度 | 熱のことなら-【熱闘ブログ】

2010/06/30

温度ヒューズの動作温度

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技術部の山本です。
たまには技術部らしいネタでいきたいと思います。

ヒーターの温度ヒューズの選定方法

ヒーターを実機ケーシングに取り付ける場合、過昇防止として温度ヒューズを付ける事が多いと思いますが、定格温度と動作温度が異なる事もありますので、設計時にはお気を付けください。

例えば、144℃の温度定格のヒューズが有ったとします。
144℃雰囲気中にヒューズを入れれば、多少動作温度にバラつきはあるものの、ほぼ144℃で動作をします。


注意しないといけないのは、面状の物に取り付ける場合です。
ケーシングの側面、面状ヒーターの表面等です。
面状ですと、ヒューズとケースとの接触は「線」になり、 温度をうまくヒューズに伝えられないのでケースとヒューズに温度ラグが発生します。

シリコンラバーヒーター表面に温度ヒューズを取り付けた場合、80℃程度の動作遅れが発生します。144℃のヒューズですと、ヒーター表面が230℃の時にヒューズが動作します。
これはヒーターの昇温スピードや周辺環境、ヒューズの種類により変動します。 
また、動作を早くする対策も可能です。


この様に温度ヒューズの動作温度は実機により異なり、一定では有りませんので注意が必要です。
どの様な故障モードを想定し、何を防止したいのか?という事と動作温度の遅れを考え、ヒューズの選定をする必要があります。
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