ペットボトルの耐熱温度 | 熱のことなら-【熱闘ブログ】

2011/04/05

ペットボトルの耐熱温度

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現在、清涼飲料水のほとんどが、ペットボトルで売られていますよね。
ここ数年で、あたたかいお茶なども、ペットボトルで売られるようになっています。


ペットボトルには2種類あり、耐熱温度が異なる

では、ペットボトルは何℃までもつのでしょう?

通常では耐熱性は非常に低く、PET自体の耐熱性は50℃程度です。
つまり・・炎天下の自動車車内に放置した程度でも変形することがあります!

なので、通常殺菌には適さないため、限界濾過で無菌化、または高温短時間殺菌という方式で殺菌され、常温充填(アセプチック充填)されています。

また、耐熱ボトルでも耐熱性は85℃程度です。
この程度の耐熱温度があれば、加熱殺菌状態での充填がかろうじて可能。

逆に、耐寒性は、瓶や缶に比べれば低いです。
飲料では、材料としての耐寒性は、ほとんど問題になることはないようです。
それより、凍結時の内容物膨張のほうが問題になるようですね。


ペットボトルの保存温度帯は、次のようになります。


蓋の色によって保存方法が決められている

・標準温度帯用 (キャップの色:様々)
常温や冷蔵時に利用される、ごく一般的なペットボトル。
こちらが、耐熱温度が50℃くらいと低いので、変形に気をつけましょう。
キャップの色は基本はですが、特に成約はなく、さまざまな色が用いられます。(海外製品で特に!)

・高温度帯用 (キャップの色:オレンジ)
ホットウオーマーなどで、ペットボトルごと温めることを想定して作られたペットボトル。
耐熱温度は85℃程度です。
内容物にも配慮がされており、高温度で変化が出にくいようになっています。
PET樹脂自体は酸素透過性があり、高温になると更に透過性が増大し、内容物の酸化劣化をもたらします。
これを防ぐため、実は様々は加工がされています。
例えば、高温度帯用の製品では容器の厚みを増やしたり、酸素遮断層をサンドイッチしたり、内面にDLC(ダイヤモンド・ライク・カーボン)コーティング処理する等により、加熱時の酸化劣化を防いでいます。
缶に比べて、熱くなりすぎないのはこのためです。
そのまま手でもっても火傷することが少ないようになっているのですね。へ~!

・冷凍温度帯 (キャップの色:水色)
ペットボトル飲料を凍らせて持ち歩くことが流行りはじめたため、冷凍庫などで、ペットボトルごと冷却することを想定して作られたペットボトル。
冷凍による内容物膨張に耐えられるよう、外装からラベル・キャップ、雑菌などへの改良・対策がされています。




普段何気なく触れているペットボトルにも、
色々と種類があるのですね。
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