A: 200角の熱盤
B: 300角の熱盤
では、どちらのほうが温度ムラが起きにくいのでしょうか?
前々回唐突に始まりました、このクエスション。
答えはどちらか、じっくりと考えられましたでしょうか?
前回、測定方法のご説明で不甲斐無くも終わってしまいましたが、、、
今回は!実際に検証に入って行きましょう!どうぞご覧ください!
さあ、結果やいかに?
温度別に、比較してみましょう。左が200角の熱盤、右が300角の熱盤です。通電を開始、ヒーターが昇温、制御がかかり、その後、再度通電された際のデータです。
温度ムラ確認試験 結果
200角 |
300角
| |
●300℃ |
±18.5℃
|
±25.45℃
|
●400℃
|
±19.2℃
|
±21.35℃
|
●500℃
|
±26.4℃
| ±22.95℃ |
結果!
ということで、結果は以下の通りとなります。300角の熱盤のほうが、温度ムラが大きく、
200角の熱盤のほうが、温度ムラが起きにくい!
ということでした。
今回は、500℃時のみ、逆の結果とはなりましたが、
掲載分以外のデータから考えると、本来は500℃時も、同様の結果になるはず、と考えています。
しかし、本来の使い方は、こうではないことも多い、と思った方、多いのではないでしょう?
プレートを作る際、温まりにくい外周のWを高くし、温まりやすい中央を低くするという
「粗密」をヒーターにつけることが多くありますよね。
じゃあ、このときはどうなるでしょう?
多くニーズのある、1.2:1:1.2の比率で試験をしました。
温度ムラ確認試験<粗密アリ> 結果
200角 |
300角
| |
●300℃ |
±17℃
|
±17.6℃
|
●400℃
|
±18.65℃
|
±14.75℃
|
●500℃
|
±23.6℃
| ±15.75℃ |
ということで、意外や意外、粗密をつけると、
200角の熱盤のほうが、温度ムラが大きく、
300角の熱盤のほうが、温度ムラが起きにくい!
という結果になりました。
粗密なし時のデータと比べてみると、通電開始まもなくても、ここまでの改善が見込めるのですね。
放熱の量と、熱容量を増やした分とのバランスがよく、うまい具合に蓄熱されたことが、要因と考えられます。
このように、改善策のご提案もできます。
今回の試験結果で早合点せず、せひ、お気軽にお問い合わせください!
こんなデータも..
そもそも、熱盤の厚みは、ヒーター径に対して3倍以上というデータは正しかったのでしょうか?下記のサーモグラフィのデータをご覧ください。
ヒーター径に対し、厚みを2倍以下の薄型にした熱盤の温度分布データです。
400℃時のデータと見比べてみると、先ほどの熱盤は±19.2の公差でしたから、
さらに10℃もムラに開きが出てしまいましたね!
ヒーターのプレートはシンプルが故に、奥が深いのですよねえ。
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