今回はヒーターの強い味方・サーモスタットのお話です。
電気ヒーターって、"電気"と"熱"という、
言ってしまえばこの世で一番危ないものを2つも兼ね備えた製品なんですよね。
だからというわではありませんが、
お客様に安全にご使用いただくためにはどうすれば良いか、
技術者は日々頭をひねっております。
電気ヒーターの友
"熱"についての安全対策といえば、
やはりサーモスタットや温度ヒューズになります。
サーモスタット付のヒーターも、とてもたくさん製作しています。
そこで難しいポイントは、ヒーターの温度とサーモの温度の関係です。
100℃OFFのサーモが、ヒーターが100℃になっても切れない・・・ということって
無いようで有るんですよね。
ラバーヒーターの上にサーモを取り付けた場合、
(あくまで初回の動作ですが)20~30℃くらい動作が遅れます。
100℃のサーモが動作するとき、
ヒーターは120~130℃くらいになっているということです。
サーモスタットの「動作温度」の条件は、実は「恒温槽に入れて1℃/1分」等のとてもゆったりとした上昇速度となっていることが多いです。
実際の温度上昇がそれよりも遅いと、サーモ自身が温まるのが間に合わず、動作が遅れることになります。
このブログでも何度か話題にしてきました。
でも、どんな場合でも同じなのでしょうか?
逆にサーモがぴったり動作する場合はあるのでしょうか・・・と疑問に思いました。
調べてみた
アルミブロックにヒーターを取り付けて、アルミの表面にサーモを配置してみます。
こんな感じです。
ブロックに熱電対を入れて、温調計を80℃にセット。5分ほどで昇温する設定です。
サーモスタットの設定温度も80℃。
昇温スピードはけっこうゆっくりですが、サーモの規格から考えればかなり早いと言えます。
アルミが80℃に到達したとき、サーモははたらくのでしょうか・・・
ラバーヒーターの例で考えれば、はたらかない気がする・・・
76℃
当然まだはたらきません。
78℃
さぁどうか・・・
おっ 80℃になっ・・・
\カチッ/
なんとぴったり動作しました!
(まぁその方が当たり前なんですが)
この条件下では、昇温スピードが比較的遅いことと、熱伝導が良いアルミへ取り付けていたことで、ラバーに比べてサーモの動作が早くなったと考えられます。
ちなみに同じ昇温速度で、ラバーヒーターで実験したところ10数℃くらいの誤差がありました。
いや~ 熱って奥が深いですね。
ツイート |